引用画像:wikipedia
ジャック・ウェルチ(1935~ 2020年)は「ゼネラル・エレクトリック(以下GE)」の会長兼CEOとして活躍した人物である。
GEの創業者は発明王ことトーマス・エジソン。創業時は白熱電球の製造会社で、その後は統合電機メーカーとして世界に名をとどろかせることになる。
1960年にGEに入社したウェルチは、わずか12年で副社長にのぼりつめた。1979年には副会長、1981年にはGE社の会長兼CEOとなる。平社員からの大出世劇は、まるでアメリカ版の島耕作。
CEO就任直後に、経営学やマーケティングでも有名な「一位二位戦略」を展開。成果のでない部門は次々に閉鎖・売却を行い、業績を上げていった。その剛腕っぷりから、「ニュートロン(中性子爆弾)・ジャック」と呼ばれるようになる。
ウェルチのリーダーシップ論「4E」
ウェルチはリーダーシップに必要な条件を4つの「E」と定義した。
ドラッカーとウェルチの会話から生まれた「一位二位戦略」
「一位二位戦略」は、ウェルチがドラッカーとの会話のなかで生み出した戦略である。GEのCEOになったウェルチは、すぐにドラッカーに会いに行った。するとドラッカーは早速こう訊ねた。
「貴社は電気自動車から冷蔵庫、電気剃刀まで製造・販売し、原子力にまで手を広げている。だが、仮に今再びゼロから始めるとしたら、全ての事業を行うだろうか」
(引用:『ドラッカー入門 新版』)
それに対しウェルチは答えた。
「さまざまな経緯で事業を広げることになったが、改めて始めるとしたら全てを行うことはないだろう」
(引用:同上)
この会話がきっかけで生まれたのが、かの有名な「一位二位戦略」であった。世界で一位か二位になれる・なるつもりのある事業を“真に価値ある事業”と定義し、そこにリソースを集中させる戦略である。
そのウェルチは、この一位二位戦略により、業績の停滞していたGEを再び軌道に乗せることに成功したのだった。
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