【ドラッカーの名言に学ぶマネジメントを実践するための秘訣】その2 失敗してもやめない 


マネジメントをテーマにお話しするとき「言葉は道具である」という言葉を必ずお伝えます。

これは、私がもともとあるドラッカー教授の言葉を短くしたものです。すなわち、「情報はマネジャーの道具である。その情報は話し言葉であり、書き言葉であり、数字である」『現代の経営』という言葉を要約したものです。

マネジメントは一つのコンセプトの集まりです。つまり概念。つまりどこまで行っても芯にあるものは言葉であるという事実があります。

言葉を使って成果に結びつける。

それがマネジメントの基本作法です。

それゆえ必要な言葉を修得し、言葉という道具の使い方に習熟することが必要になります。

多くの方は、この過程をおろそかにしてマネジメントを身につけようとします。トレーニングなしに身につく能力は一つもありません。それは個人の能力も組織の能力も同じです。

そこで「一言を徹底的に使う」ことの重要性を強調してお伝えします。

「徹底的に」とはどれくらいか。

この点に関して一つの優れた事例を紹介するようにしています。

2012年10月21日、北海道新聞の一面を十勝バスの記事が飾りました。

 

「地域密着 客戻った」

「十勝バス40年ぶり増収」

「1000戸訪ね対話▶運行、時刻見直し」…見出しが並びます。

 

この見出しの中に「徹底的に」言葉を使った様子が表現されています。同社は3年で1000戸の個別訪問を行い40年ぶりの増収を実現しました。

同社が使った一言は「ノンカスタマー(非顧客)に聞け」というものでした。そこから得られた貴重な情報から顧客が求める真の価値を知ることになりました。

同社では今でも戸別訪問を続け、「何か困っていることはないか」を聴き続けています。

具体的に下記サイトの記事をご覧ください。

https://www.bizclip.jp/articles/bcl00042-016.html

この事例は内容の素晴らしさはもちろんのことですが、ドラッカー教授の言葉を徹底的に使った事例として秀逸です。

言葉の実践が組織の習慣を形成し、新しい商品を次々に生み出す礎となりました。言葉という道具の使い方に初めから習熟できる訳ではありません。10回使い、100回使う頃に何となく手にしっくりとしてくる…そういった類のものです。それは実践者だけが手にできる感触です。

またトレーニングには失敗がつきものだということも覚悟しておきましょう。それは失敗というよりもトレーニングの過程で生まれる当然の事象です。大人になると失敗を怖れる心理が働きます。しかし一度や二度の失敗で諦めてはなりません。100回失敗すると決めて取り組んで下さい。意外と早く成果は現れるはずです。マネジメント言語という言葉を実践で用いながら成果をあげていきましょう。

 

この事例は拙著『実践するドラッカー〔事業編〕』のp.98~と『ドラッカーを読んだら会社が変わった』p.18~でも読むことができます。

ポイントをまとめておきます<実践の秘訣 その2>

①言葉を実践で使う

②言葉を徹底的に使う

③失敗を怖れない

 

ここまでの連載

その1:最初から理解しようとしない

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佐藤 等
<実践するマネジメント読書会>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。 ドラッカー学会理事。 マネジメント会計を提唱する佐藤等公認会計士事務所所長/公認会計士・税理士。 ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。 Dサポート㈱代表取締役会長。 ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。 公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に約70名のファシリテーターを送り出した。 誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。 編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 自身のブログ<ドラッカリアン参上>は連続投稿4000日以上を達成して続伸中

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