引続きイノベーションに関する原理を取り上げます。今日は、前回指摘した原理の次に来る原則的な行動に関するものを紹介します。まずは前回の原理の確認からです。
既存のものはすべて古くなる(陳腐化する)
<マネジメントの原理24>
それゆえ次の原則が必要になります。
新しいことを始める前に既存のものを廃棄する
<マネジメントの原理25>
既存の「もの」には、様々なものが入ります。大きな「もの」は事業です。製品やサービスのこともあります。店舗や工場の閉鎖などもあります。やり方の変更もあるでしょう。
これらに共通することは、廃棄に伴い経営資源が解放されるということです。ヒト・モノ・カネなどと呼ばれる経営資源は、何らかの形で資源が結合しています。これを旧結合といいます。古いパターンで資源が固定化されています。たとえば、ある工場を閉鎖して事業をやめることで、そこで働いていたヒト・モノ・カネが解放されます。
イノベーションを起こすには経営資源が不可欠です。
これらの経営資源を無制限に使える企業はありません。何かをやめて、生み出した余剰の資源を他に振り向けるというパターンが健全です。そのために必要な行為が廃棄です。
廃棄は体系的に行う必要があります。たとえば毎年、10月に3年以内にやめることを3日かけて話し合う会議をおこなうなどルーティーン化することです。
廃棄は、新しいことを行うための積極的な行為です。それは未来から求められているものなのです。
原理のマネジメントが必要な理由
第1回目は、原理がマネジメントにいかに必要かについて触れています。<方法ではな<原理を手にすること>の大切さについては何度も確認して欲しいと思います。
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