前回からイノベーションに関する原理に入っています。前回指摘した原理です。
<マネジメントの原理20>は「イノベーションも事業である」でした。さらに<マネジメントの原理21>は「未来の事業を定義する」―「われわれの事業は何になるのか」、「われわれの事業は何であるべきか」でした。
これらの原理は、<マネジメントの原理7>あたりから始まる事業に関する原理をスタートラインとしています。樹木の幹(組織)からわかれた大きな枝(事業)の先にある中くらいの枝がイノベーションというイメージです。アイキャッチ画像に樹木を使っているのは、すべての原理原則が樹系図のように関連して伸びているからです。
さて今日のマネジメントの原理です。
既存のものはすべて古くなる(陳腐化する)
<マネジメントの原理24>
未来は今と異なります。それを変化といいます。変化がなければ既存の事業のままで問題ない訳です。変化があるから既存のものは古くなるのです。これは重要な原理です。
このため既存の事業も必ずいつかは陳腐化します。イノベーションが必要な理由がここにあります。事業は組織の目的を実現する手段(マネジメントの原理6)ですから、目的の実現にはイノベーションは欠かせないことになります。
組織の目的(ミッション)を実現するために事業を更新していく過程で必要になる方法がイノベーションです。ブリジストンは、最初縫製業から起こし、足袋の専業者となり、滑らない足袋底の開発からゴムに関する知識を蓄積して、タイヤメーカーとなりました。その歴史はイノベーションの歴史そのものです。
原理のマネジメントが必要な理由
第1回目は、原理がマネジメントにいかに必要かについて触れています。<方法ではな<原理を手にすること>の大切さについては何度も確認して欲しいと思います。
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