ドラッカーは膨大な著作を世に送り出してきました。本記事の「①」では、1939~1982年までの著作を年代ごとに紹介します。
「②」の1985年17冊目から~2006年最後の32冊目はこちら
目次
ドラッカー全著書集①
1939年『経済人の終わり』
引用:Amazon
イギリス首相ウィンストン・チャーチルが絶賛した記念すべきドラッカーの処女作。ナチスドイツによる全体主義(ファシズム)の台頭を目の当たりにした若きドラッカーが、当時の経済学の在り方を批判すると共に、幸福な社会に至るための道を模索します。彼がのちにどうして組織マネジメントに関心を示していくのかを知ることができる重要な一冊。ドラッカーの原点を知りたいという方におすすめです。
1942年『産業人の未来』
引用:Amazon
利益優先の利己主義者である“経済人”の時代が終わり、戦後は“産業人”が担っていく……。来るべき「産業社会」を予言したドラッカーは、前向きな未来を築いていくためには企業の在り方を見つめ直す必要があると説きます。「企業とは社会にとってどのような存在であるべきなのか」という根本的な問いを知りたい方はぜひ手に取ってみてください。
1946年『会社という概念(企業とは何か)』
引用:Amazon
ゼネラルモーターズ(GM)をケーススタディに、組織経営で成果を出すための原理・原則を探った意欲作。いよいよ現代経営の父・ドラッカーの本領が発揮される一冊です。前作『産業人の未来』からさらに踏み込み、「企業は何のために存在するのか」「どうすれば人は動くのか」について論じています。
1949年『新しい社会と新しい経営』
引用:Amazon
全体主義・社会主義・自由主義の相反する思想が衝突した第二次世界大戦。当時を振り返りながら、ドラッカーは何を思うのか。本書は、ドラッカーの構想する今後の社会像が描かれると共に、その社会に必要な企業経営の在り方を読者に示します。ドラッカーがどうして組織マネジメントにこだわるのか、その理由を知ることができる一冊です。
1954年『現代の経営』
引用:Amazon
マネジメントの本質に迫る『現代の経営』。今日では現代経営学の古典と称されています。企業の行動原理や目的を明確に定義する本書は、ドラッカー入門書としても非常におすすめです。「ドラッカーはどれを読めばいいのかわからない」「他の著作を読んで挫折したことがある」という方におすすめです。
1957年『オートメーションと新しい社会』
引用:Amazon
組織経営における「オートメーション(自動化)」は、何をもたらすのか。アメリカを代表するフォード自動車から着想を得たドラッカーは、生産のオートメーション化と産業社会の未来とを結び付け、深い洞察を示します。大量生産方式の経営論の本質に迫る一冊。現在『オートメーションと新しい社会』は絶版しており、手困難となっていますが、ドラッカー全集の5巻に掲載されていますのでご安心ください。
1957年『変貌する産業社会』
引用:Amazon
社会構造の変化とは、すなわち世界観の変化である――数年ものあいだ組織に関心を寄せてきたドラッカーが、満を持して再び社会に目を向けます。経営論を経て一皮むけた“思想家”としてのドラッカーを知ることのできる一冊。
1964年『創造する経営者』
引用:Amazon
ドラッカーが事業戦略の何たるかを本格的に説いた重要な著作です。利益、経営資源、製品分析、コスト、マーケティング……。「経営って何だ?」と迷ったときに手に取って欲しい本です。
1966年 『経営者の条件』
引用:Amazon
数ある著作のなかでも、『経営者の条件』は、経営者を問わず、アスリートや一般学生など、幅広い層に読み継がれてきた自己啓発本の傑作です。本書は経営者を前提に書かれている内容ですが、自分の立場に置き換えて考えることができます。はじめてドラッカーを読む方、あるいはドラッカーの魅力をすぐに知りたいという方にぴったりです。
1969年『断絶の時代』
引用:Amazon
文明批評家としての顔を持つドラッカーが、1969年に情報化社会やグローバル社会の到来を予測した驚くべき著作。どうやってその未来予想へと行きついたのか、彼の思考の過程を追うことで、新しい発見があるかもしれません。「文明がシフトする」とはどういうことなのか、その本質をドラッカーから学びたいという方はぜひ。
1973年『マネジメント』
引用:Amazon
ドラッカー現代経営学の集大成。経営・組織・マネジメントをめぐるこれまでの思索を統合・体系化したのが本書となります。「まずは王道から読みたい」という方におすすめです。読みやすく改訂した「エッセンシャル版」もあります。
1976年『見えざる革命』
引用:Amazon
1970年代の後半に、再び文明批評家のドラッカーが鋭い洞察を示したのがこの一冊。高齢化社会をはじめとする人口動態問題に切り込み、来たる21世紀に向けて人々に警告します。少子高齢化や年金問題に関心のある方はぜひ。
1979年 『傍観者の時代』
引用:Amazon
ドラッカーがはじめて己の半生を綴った自伝。激動の時代を駆け抜けた彼は、自身の研究をどう俯瞰するのか。ドラッカーの人となりや思想の原点を知りたい方は必読の書です。これを読むことで、これまでわからなかった他の著作の内容が理解できるようになるかもしれません。
1980年『乱気流時代の経営』
引用:Amazon
グローバル化の加速。皮肉にもそれは、ドラッカー自身が予測した通りの現実となりました。急激な社会構造の変化がビジネスにもたらすものとは。「乱気流」の時代に経営はどうあるべきかを知りたいなら、まさにその最前線にいたドラッカーに学ぶ価値があるでしょう。
1981年 『日本 成功の代償』
引用:Amazon
日本人経営者と深い親交のあるドラッカーの目には、当時の日本はどう見えたのか。当時の日本が何を得て、何を失いつつあったのか。ドラッカーが日本について語る貴重な一冊です。
1982年 『変貌する経営者の世界』
引用:Amazon
ドラッカーのエッセイ集。現在では入手が難しいですが、文明論から経営問題にいたるまで、横断的にドラッカーが語りつくします。ご興味のある方はぜひ、探してみてください。
まとめ “鷹の目”で社会を俯瞰したドラッカー
ドラッカーが優れた思想家・経営理論家であることは言うまでもありません。彼の著作がいまもなお多くの人々に影響を与え続けられるのは、やはり理論に「普遍性」があるからなのでしょう。
では、その普遍的な洞察は一体どこから?おそらくヒントは、ドラッカーが「社会」という大きな視野で経営や組織を見ようとしていたことにあるのではないでしょうか。だからこそ、未来を具体的に予測する先見性があったわけです。
わたしたちもドラッカーに学んで、ときには“鷹の目”で世の中のことを俯瞰してみる必要があるかもしれません。そこに意外な発見やビジネスの手がかりが落ちているかも……?
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