清水 祥行(しみず よしゆき)
1968年、兵庫県西宮市うまれ。同志社大学卒。
Dサポート株式会社代表取締役、
ナレッジプラザ・ドラッカー読書会認定ファシリテータ、
一般財団法人しつもん財団認定ビジネス質問家、
経済産業省登録中小企業診断士(平成8年登録)。
楽天大学にて「もし楽天店舗さんがドラッカーのマネジメント論を学んだら」講師を務める。
自分の強みは何なのか見えなくなってしまいました。
個人で仕事をしています。いわゆる一人社長です。最近、自分の強みが一体何なのかわからなくなってきました。
起業時は「自分の強みはこれだ」と確信があったものですが、今では「実は強みではないのではないか」と自信がなくなってきました。本当の強み(武器)を見つけるにはどうすればよいですか。
「得意」と「強み」は違います。「仕事の成果」を通じて本当の強みを知りましょう。
自分の強みだと信じていたことが、実は強みではなかった――というのは、起業者や経営者がしばしば直面する問題です。
誰でも自分の強みはわかっていると思う。たいていが間違いである。知っているのは、強みというよりも強みならざるものである。それでさえ間違いのことが多い
ドラッカー『明日を支配するもの』より
「自分の強みを活かして仕事をしよう」「オンリーワンになろう」というのは簡単ですが、現実はそう簡単ではありません。
なぜなら多くの人は、「得意なこと」と「強み」を混同しているからです。
たとえば「英語が得意」なのは、あくまで「英語の知識が豊富」であることでしかなく、仕事の成果をあげられるかどうかは別の話です。問うべきは、英語の知識をどのように活かせば成果を上げられるのかということ。それが強みを知る大きな手がかりとなります。
多くの場合、“どのように活かすか”の答えは、個々人の“資質”にヒントがあります。人とコミュニケーションをとるのが上手な人なら、クライアントの代わりに英語の交渉をして貢献できるかもしれません。「コミュニケーションは苦手だけど芸術作品が大好き」という人ならば、海外作家と日本のコミュニティを橋渡しする担い手となれるかもしれません。
とはいえ、いきなり自分自身の強みを見つけることはなかなか難しいと思います。
おすすめしたいのは、自分自身と日々向き合いながら、長所や強みと思えることを書きとめておく方法です。
強みを知る方法は一つしかない。フィードバック分析である。何かをすることに決めたならば、何を期待するかを直ちに書きとめておかなければならない。そして九ヶ月後、一年後に、その期待と実際の結果を照合しなければならない
ドラッカー『明日を支配するもの』より
この“フィードバック分析”というのは、“マネジメントの父”や”経営の神様”と称されているP. F. ドラッカーが実践していた方法です。
やり方はいたってシンプル。「期待している成果」を設定し、一定期間経った後に「実際の成果」を比較検討します。これを繰り返して行うことで、おのずと自分の強み(そして弱みも)が浮かび上がってくるとドラッカーはいっています。
「仕事の成果」「資質」「長所の発見」が本当の強みを見出すためのポイントです。
最後に:ドラッカーを学んでみたい方へ
今回のアドバイスで引用したP. F. ドラッカーは、“マネジメントの父”や”経営の神様”と称され、20世紀の経営学に多大な影響を与えた人物です。
ドラッカーの言葉に励まされ、影響を受けた経営者は数え切れないほどいます。国内だけでなく、世界中でも、ドラッカーを経営に活かした実例は無数に存在します。
もし今回のQ&Aで少しでもドラッカーに興味を持たれたなら、ぜひ一度、ドラッカーのオンライン読書会に参加してみてください。経営者や個人事業主の方はもちろんのこと、学生や会社員/役員の方の参加も大歓迎です。この読書会を通じて、普通では知り合えないような人とつながることもできますよ。
ドラッカーは“拾い読み”をするよりも、一冊の本を読み込み、体系的に学んだほうが、より効果的にビジネスに活かすことができます。
読書会では、ドラッカーの実践によって業績改善やイノベーションを実現できた先輩が、自らの実体験をもとにアドバイスしてくれます。
「小手先の経営テクニックだけじゃ通用しないと痛感した」「どんな波風にも動じない信念を身につけたい」「経営の普遍的な原理原則が知りたい」という方は、ドラッカーのオンライン読書会で新しい発見や気づきを得られるかもしれません。
Dラボ
当サイトDラボを運営しております。
ドラッカーを学んだ経営者やビジネスマンが実際に仕事や経営に活かして数々のピンチを乗り越え、成功を収めた実例を記事形式で紹介しています。
また、「実践するマネジメント読書会」という、マネジメントを実践的に学び、そして実際の仕事で活かすことを目的とした読書会も行っております。
2003年3月から始まって、これまでに全国で20箇所、計1000回以上開催しており、多くの方にビジネスの場での成果を実感していただいています。
マネジメントを真剣に学んでみたいという方は、ぜひ一度無料体験にご参加ください。
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