ドラッカーマネジメントの中核―自分の強み(長所)の見つけ方/自分を生かすトリセツのつくり方【第9回】止まらなくなる語り

ドラッカーマネジメントの中核―自分の強み(長所)の見つけ方 シリーズ一覧

 

遊びのアクションと仕事のアクション

 前回の「いまの仕事のアクションに置き換えた言葉の抽出」はうまくいきましたでしょうか?

 遊びで行っていたアクションは、仕事のアクションにも通じます。

・様々なルートで情報を収集してレアものコインを集めるていた方が、ネットオークションで稼いでいたり、

・毎日ノートに創作の長編物語を作っていた人が、大型プロジェクトのプランを書いてたり、

・ものまねでクラスの人気者だった人が、「デキる弁護士」を演じているうちに実態が伴ってきたり・・

昔から「三つ子の魂百まで」と言ったように、私たちは同じ事を繰り返しながら成長をしているのかもしれません。

そんな自分を自動的に動かしてくれる行動を仕事のなかに取り入れて行きたいですね。

”楽しみ方”が深堀りできないとき

 このワークを複数人数のグループで行うとき、驚くほど様々な楽しみ方があるものだと気づかされます。

 しかしながら、一人でやっているときには、そんな意外さには気づかないこともしばしばです。

 そうすると、例えば、「釣り」のアクションは「釣る」。以上終了(笑)になってしまいます。
 でも、釣りへいくにも、詳しく見ていくと「天候を予測して日程を決め、それが当ったときが最高!」だったり、
 「これがダメならこの仕掛けを使おう・・と予備の仕掛けを準備しているときが楽しかったりします。

 何人かで行うと、そんな自分では気づかなかった楽しみ方のアクションを見つけることができます。
 ぜひ、周囲の方と一緒にやって頂きたいのですが・・・
 一緒に行える仲間が居ない場合は、

「一般的に」同じジャンルであげられるもの
比較すると良いでしょう。

例えば、ジャンルで比較するパターンとして、これまでには

・「スキーはできるけどやらない。スノーボードはずっと続けているけど。」とか

・「海釣りはするけど、川釣りはやらない」とか

・逆に「河釣りはやるけど海釣りはやらない」とか

・「パラグライダーはするけれど、ハングライダーはやらない」とか、

がありました。

 それはなぜかを考えると、
 一方にはあって一方にはないアクションを探すことができます。

 そこから自分なりの特徴のある動詞やアクションを見つけていくことができるかもしれません。
 ぜひ、一度取り組んでみてください。

 

身についてしまっている癖や習慣を利用する

 さて、今回は癖や習慣について。

 単なる癖や習慣として周囲には迷惑がられることが、実は大きな力を発揮するかもしれません。

「上司もまた人であってそれぞれの成果のあげ方があることを知らなければならない
 上司に特有の仕事の仕方を知る必要がある。単なる癖や習慣かもしれない。
 しかし、それは実在する現実である。」

『経営者の条件』 P.F.ドラッカー p.131

これから、新たな良い癖や良い習慣を学んで身につけるよりも、すでに身についてしまっている癖や習慣を利用する方が、よほど生産的です。

ここでは特に、話す癖から、思考癖を振り返ってみましょう。

最初に説明して欲しいことは?

「上司の強みを生かすには、問題の提示にしても、「何を」ではなく「いかに」について留意しなければならない。

 何が重要であり何が正しいかだけでなく、いかなる順序で提示するかが大切である。

 (中略)上司の強みが政治的な手腕にあるならば、まさにその政治的な側面から最初に説明する必要がある。

 上司は、何についての問題であるかを用意に理解し、その強みを存分に発揮する。」

『経営者の条件』 P.F.ドラッカー p.132

ここにあげられているように、
「政治的な手腕が強みの人は、説明は政治的な側面から説明をすると情報は円滑に伝わり、強みも発揮しやすい」

というのは、関心やこだわりがどこにあるかが重要な鍵だということです。

 

・・・・・ちょっと考えてみてください。

飲み会に誘われるとき、何から説明されると良いか?

・ながながと参加メンバーを話されると、途中から聞いていない。(笑)

・ドレスコードを聞いて、どれくらいお堅い会かを知ることが重要だったり、

・どんな料理がでるかが重要だったり、

・どんな趣旨の会かが重要だったり

なんて事が起こります。

 

逆に、人にお願いやお誘いをするとき、自分はについての説明が長くなるか?を考えると、

自分の思考の優先順位がわかるかもしれません。

 

MYブームのお城でたとえるならば

・防御設備としてのお城について語り始めると止まらなくなるのか

・政治的な手段としてのお城について語り始めると止まらなくなるのか

・機能性を持った建造物の美しさを語り始めると止まらなくなるのか

といったものがあると思いますが、仕事で言えば

・営業マンがもつべき持ち物について語り始めると止まらなくなるとか、

・電話対応の第一声の「音程」について語り始めると止まらなくなるとか、

・誰から順に話を通すべきかを語り始めると止まらなくなるとか・・

 

あなたが語り始めるとつい止まらなくなってしまうものは、あなたの強みが隠れている分野。

いちど振り返ってみましょう。あなたの関心度が高い分野を。

Q:何について語り始めると止まらなくなりますか?

 

ここまでの記事

【第1回】あなたの『自分取扱説明書』をつくりましょう!

【第2回】あこがれた職業は、自分の仕事観を示す。

【第3回】自分の仕事を「作品」として見てみる

【第4回】作品(仕事)を振り返って気づくこと

【第5回】“楽”ちんなことは“楽”しめない

【第6回】”MYブーム歴”から考える

【第7回】”アタマを使う仕事”は遊びと紙一重(頭が働き始めるツボ)

【第8回】MYブームからワークスタイルをさがす

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『ドラッカーを読んだら会社が変わった!(日経BP社刊)』『ドラッカー教授組織づくりの原理原則(日経BP社刊)』編集協力。 中小企業におけるドラッカーのマネジメント実践をサポートする[実ドラ・実践ナビゲータ]。 『実ドラ:実践するドラッカー』シリーズ(ダイヤモンド社)をテキストに、1日一冊で、マネジメントを実践的&体系的に学ぶ[実践するマネジメント講座]の講師を全国で務める。  趣味は、受講企業に訪問して実践事例を取材するとともに、自社では気付かない強みをフィードバックすること。

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