私の仕事は会計事務所の所長。
かれこれ30年、監査法人時代を含め職業会計の業界にいます。我ながら長いですね。
この間、会計業界は国際化や時価会計化など激動期にありました。
このような大きな変化によって影響が受けたのは主として財務会計と呼ばれる分野においてです。株主や債権者に現状を伝えることを主な目的とするため報告会計と呼ばれたり、一定のルールにしたがって作成すので制度会計などと呼ばれたりします。
主として利益(所得)計算を目的にする税務会計は、財務会計の下位に位置しています。
会計には、財務会計の他に管理会計という領域が存在します。私は大学時代、管理会計ゼミに属していました。原書を読まされた懐かしい思い出がよみがえります。
公認会計士の試験でも管理会計は原価計算という試験科目の一領域で出題されました。
管理会計で身につけた知識は会計実務でとても役に立ちました。さまざまな意思決定の判断基準となったからです。
管理会計はmanagement accountingの日本語訳です。
ここまでは職業会計人としていわば常識のこと。
「マネジメントのための会計とは何か」
問題はここからです。
21世紀に入って私は、故あってドラッカー教授のマネジメントを学ぶ機会を得ました。
「マネジメントのための会計とは何か」
違和感から…私は考え続けました。
しばらくかかりましたが、一つの結論に達しました。
学生時代や会計士の受験勉強で習った管理会計とマネジメントに役立つ会計は別物であると。
(つづく)
「会計事務所では教えない?経営者のためのマネジメント会計入門」連載記事
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