売上あげたいなら数字にこだわるな!?「売上はありがとうの数」と再定義して売上UPと社員の主体性を両立した美容室の成功事例


売上あげたいなら数字にこだわるな!?「売上はありがとうの数」と再定義して売上UPと社員の主体性を両立した美容室の成功事例
\記事の監修者/

清水 祥行(しみず よしゆき)

1968年、兵庫県西宮市うまれ。同志社大学卒。
Dサポート株式会社代表取締役、
ナレッジプラザ・ドラッカー読書会認定ファシリテータ、
一般財団法人しつもん財団認定ビジネス質問家、
経済産業省登録中小企業診断士(平成8年登録)。
楽天大学にて「もし楽天店舗さんがドラッカーのマネジメント論を学んだら」講師を務める。

経営者の方なら誰しもが売上(数字)にこだわっていると思います。数字の変化に一喜一憂しながら、収益が悪ければなんとかして改善を試みる。それが経営者のつとめです。

しかし「どうすれば売上がUPするのか」という問題は非常に難しいですよね。「それがわかれば苦労しないよ!」と現場の従業員もそんなことを言いたくなるでしょう。

それでも売上の改善は事業の急務ですから、経営者として「売上を上げてくれ」と叱咤しなければなりません。

いざ事業の分析に着手したとしても、そこにはまたハードルが立ちはだかります。何が原因で売上が落ちているのか、どうすれば集客が伸びるのか……考えれば考えるほど、“改善すべき問題点”が湧いて出てくるため、収拾がつかなくなり、次第にチーム全体のモチベーションが下がっていくのです。組織そのものが「問題点だらけ」のような気がして、一向に状況が好転しなさそうに思えてしまうわけですね。

みなさんも、「売上をどうにか良くしたいと思ってはいるものの、行き当たりばったりの対処療法的な改善策しか打ち出せない」とお悩みではありませんか?

まずは「売上」という数字にこだわる発想から抜け出しましょう。

「売上=数字」なのは、一見当たり前のように思えますが、その数字は、あくまでも会社側の都合であって、顧客には関係がないものです。ですから、数字ばかり追っていると、次第に顧客本位でサービスを考えることができなくなり、顧客が離れて、さらに売上が落ちるという悪循環に陥る可能性もあります。

では、売上とは何なのでしょうか。ヒントは「顧客満足こそ成果」という発想です。それについて興味深い実例を紹介します。

数字ではなく人を追えば、おのずと数字がついてくる

引用画像:株式会社BALANCE

美容室を経営する株式会社BALANCE(岡山県倉敷市)の社長は、「数字は何を表しているか」と問い直し、雇っている美容師たちに次のような説明をしました。

売上とはお客様からのありがとうの数
単価とはお客様と自分の美意識の高さ
店販とはお客様からの信頼のバロメーター
指名数とはお客様の「またあなたに会いたい」度
リピート率とはお客様の満足
紹介数とはお客様の感動
客数とは社会への貢献
次回予約とは綺麗の優先
指名売上とは愛され
給料とは自分が人に与えた価値の数と高さ

この売上の再定義によって、社長は従業員に何を伝えたかったのでしょう。それは「お客様にどんな貢献をすれば、売上につながるのか」ということでした。

「いかなる組織といえども、顧客に聞かなければ、何を成果とすべきかはわからない。ただし、顧客という言葉の定義は厳格でなくてよい。顧客とは満足させるべき相手である。顧客を満足させられなければ成果はない。企業ならば、時を経ずして倒産するだけのことである」
ドラッカー『経営者に贈る5つの質問』より

マネジメントの父・ドラッカーは、「成果は外にある」と繰り返し何度も強調していました。ここでいう“外”とは、組織の外の世界(顧客の存在する社会)のことです。

株式会社BALANCEの社長は、先立つものが「お客様への貢献」であり、その貢献度合いに応じて売上が後からついてくると考えます。それはまさしく、「成果は外にある」という発想の体現だったといえるでしょう。

たとえば店の紹介数が少ないということは、「お客様に与える感動が少ない」ということですから、美容師たちは「もっとお客様に感動してもらうにはどうすればいいのだろう」と自主的に考えることができるようになります。

スタッフ一人ひとりが「お客様への貢献の成果が売上の数字に表れる」と考えられるようになるということは、経営者が「人を伸ばせば売上が伸びる」という発想で事業に取り組めるようになるわけです。

“売上を追うのではなく、人を追う経営”によって、株式会社BALANCEは一歩一歩着実に成果にコミットできるようになっていきました。

「自分たちにとって売上は何を意味しているのか」。それを定義をするだけで経営者・従業員の意識はガラリと変わります。

最後に:ドラッカーを学んでみたい方へ

近年は、広告やクーポン雑誌の掲載にお金をかけて効率よく集客を図る美容室が多くなったという話をよく耳にします。確かにお金さえ払えばお客様の目に留まりやすくなるため、ある意味では、集客や売上をUPさせるための近道ともいえるでしょう。

しかしその方法でしか顧客を集められない美容室は、サービスの質を良くしたり、心から顧客に支持される店づくりをする努力を怠ってしまうため、今日のコロナ不況のあおりを受けて、すぐに店をダメにしてしまう美容室も後を絶たないそうです。

今回みなさんにご紹介した株式会社BALANCE(岡山県倉敷市)の社長は、マネジメントの父・ドラッカーを真摯に学び、経営で実践した経営者の一人です。コロナ不況の最中にあっても、社長はつねに、顧客価値の創造をする経営者精神を忘れることはありません。

さて今回のアドバイスで引用したP. F. ドラッカーは、“マネジメントの父”や”経営の神様”と称され、20世紀の経営学に多大な影響を与えた人物です。

ドラッカーの言葉に励まされ、影響を受けた経営者は数え切れないほどいます。国内だけでなく、世界中でも、ドラッカーを経営に活かした実例は無数に存在します。

もし今回のQ&Aで少しでもドラッカーに興味を持たれたなら、ぜひ一度、ドラッカーのオンライン読書会に参加してみてください。経営者や個人事業主の方はもちろんのこと、学生や会社員/役員の方の参加も大歓迎です。この読書会を通じて、普通では知り合えないような人とつながることもできますよ。

ドラッカーは“拾い読み”をするよりも、一冊の本を読み込み、体系的に学んだほうが、より効果的にビジネスに活かすことができます。

読書会では、ドラッカーの実践によって業績改善やイノベーションを実現できた先輩が、自らの実体験をもとにアドバイスしてくれます。

「小手先の経営テクニックだけじゃ通用しないと痛感した」「どんな波風にも動じない信念を身につけたい」「経営の普遍的な原理原則が知りたい」という方は、ドラッカーのオンライン読書会で新しい発見や気づきを得られるかもしれません。

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