「私の本はみな、人を動かして行為させようとしている」『ドラッカー全集まえがき』
これがドラッカー教授が著作を生み出し続けた目的です。
つまり…「実践せよ」。
これが教授からの最大のメッセージなのです。
この目的に応えるために私たちは<実践するマネジメント読書会>などの活動を行っています。
では、どうすれば実践することができるのか?
これが大問題です。
ここではそのポイントを綴っていきたいと思います。
「真の理解は実践のあとにくる」
これはドラッカー教授の考え方です。
読書会などを行っていると「難しい」という声に出会うことがあります。
多くの場合、「理解できない」という意味です。
すでに罠にはまっている状態です。
マネジメントは理解の対象ではないということをお伝えしています。
マネジメントは泳げるとか自転車に乗れるなどの身体能力に近いものです。
『3時間で誰でも泳げる』という本を読んだだけで海に飛び込む勇者はいないでしょう。
にもかかわらず『3時間でわかるマネジメント』のような本に手を出しがちです。
マネジメントは「わかる」対象ではありません。
マネジメントは「できる」対象です。
ドラッカー教授は情報と知識を区別しています。
情報を使って何かの状況を変えたり、進めたりできたとき、その情報は知識になるのです。(『実践するドラッカー〔思考編〕』p.4)
そのため読書会の参加者などには、「一言の実践」の大切さを繰り返し伝えています。
ドラッカー教授の言葉は実践の対象物であり、理解の対象物ではないのです。
たとえば時間管理の時間の記録を実際やってみて、そこに潜んでいる原理などを始めて実感できるのです。もちろん最初は失敗も多いでしょう。
何度も水を飲みながら水泳を覚えたように、実践して失敗を重ね上手になるものなのです。
読書会は一言に出会う場です。
ドラッカー教授はこれを「情報の取得」と呼びました。
ポイントをまとめておきます<実践の秘訣 その1>
①読書会などで実践するための一言に出会う
②その一言を試行錯誤しながら実践する
③実践のあとに真の理解は得られる


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