<マネジメントの原理14>
利益は、未来のリスクと不確実性をカバーする
前回、挙げた原理です。
ドラッカー教授は「利益には3つの役割がある」と述べました。マネジメント上、利益は、単に会計上求められる差額概念ではありません。ハッキリとした役割があります。利益というコンセプト(道具)の役割を理解して、これを活用するという姿勢が大切です。その一つが上記です。今日は2つ目の役割につていてです。
利益という道具の役割その2
<マネジメントの原理15>
利益は、事業の拡大とイノベーションに必要な資金調達の基盤となる
資金調達能力は、利益および過去の利益の蓄積額である剰余金の多寡で決定されます。剰余金は内部に蓄積した過去の利益です。内部留保が多いほど多くの資産を保有しているはずです。たとえばそれが現金であれば金融機関は返済の能力を高く評価するでしょう。
また剰余金は純資産を高め一株当たり純資産を高めます。もし新株を発行しようとしたら。原則としてこの数字が高いほど発行価格が高くなります。これは、利益をあげる能力が高いことを意味します。将来にわたっても期待できるとなれば発行価格はより高くなります。
このように利益(過去の利益の蓄積を含む)が大きければより多くの資金を調達することができるのです。原理の15はそのことを述べたものです。
次回はもう一つの利益の役割についてです。
原理によるマネジメントが必要な理由
第1回目は、原理がマネジメントにいかに必要かについて触れています。<方法ではな<原理を手にすること>の大切さについては何度も確認して欲しいと思います。




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