組織という道具には目的がある【マネジメントの原理2】
前回の復習からです。社会的道具としての組織には必ず目的があります。次の3つの目的は前回掲載済みです(以下再掲)。
第一に、社会において特有の役割(ミッション)を果たすことである
第二に、所属する人を成長させることである
第三に、社会にある新しい課題を解決することである
今日は第一の目的について考えてみます。
組織は「特定の役割」を担っているとはどういうことでしょうか。
何でもできるという組織は世の中に存在しません。
たとえば楽天という会社はネットショッピングを手掛けており、その子会社である楽天という球団はプロ野球というパフォーマンスを観せるというサービスを提供しています。同じグループでも社会的な役割が異なります。
それぞれの組織は、その組織でなければ提供できない財やサービスを提供しています。プロ野球の球団であればどこでもいいのではありません。楽天ではなく日ハムを応援するのには理由があるのです。
特有の役割の「特有」とはそのことを意味しています。極端な話、同一の財やサービスを提供しているように見える業種であってもそれぞれに選好する理由があるのです。
どこのコンビニに行くのか、どこの保険会社の保険に加入するのか…それぞれに理由があるのです。「特有」を突き詰めるほどに独自性が高まります。単なる差別化ではなく独自化です。その製品やサービスを求めて遠くからも顧客が来店したり、注文が入ったりします。組織は「世のため人のため」にあるという意味は、社会で特有の役割を担って顧客に喜んでもらうことです。
組織の目的は、社会において特有の役割(ミッション)を果たすことである【マネジメントの原理3】
これもまた原理です。
原理を知り、自ら方法を導き出す
ここから「われわれの特有とは何か」を考えることができます。つまり独自化を図るための方向性を見出すことができます。
原理は方法を生み出す源泉です。
原理を知っていれば自分で方法を生み出すことができるということです。
方法ではなく原理を手にしたいものです。この連載は、マネジメントの原理を順に紹介していきます。
原理によるマネジメントが必要な理由
第1回目は、原理によるマネジメントがどうして必要かについて触れています。<方法ではなく原理を手にすること>の大切さについては何度も確認して欲しいと思います。
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