ドラッカーマネジメントの中核―自分の強み(長所)の見つけ方/自分を生かすトリセツのつくり方【第10回】強み同士の人事を行う

ドラッカーマネジメントの中核―自分の強み(長所)の見つけ方 シリーズ一覧

 

定期的に見直す

 さて、第9回目の投稿から少し時間をいただきましたが、

 自分トリセツの書き込みは何度か挑戦されたでしょうか?

 

 「短期で一度に全部を一挙に考えるとき」と
 「長期にわたって小出しに一歩一歩すすめるとき」とでは
 思い出せる情報が異なりますので、何度も取りくんでみてください。
 そして、定期的に見直す。ということを行っていただければより効果的です。

 

 ちなみに、ここまでのシリーズ「じぶんトリセツ」の質問については、
 どの質問について考えたとき、次々と言葉が思い浮かんだでしょうか?

 ここまでの9回の強み(生かせる個性)を抽出するご質問をざっと見直すと・・

 

【第1回】では、まず、自分自身の「強み」について、勘違いしがちであることを指摘して
 正しく認識するための「じぶんトリセツ」を作ることをご提案しました。

その後、

【第2回】では、憧れた職業から仕事の価値観を見つけ、

【第3回】では、あなたが価値を生むときのパターンを探し、

【第4回】では、そのパターンが変化していないかを確認し、

【第5回】では、あなたが喜ばれる場面を発見し、

【第6回】では、あなた自身が喜べる場面を発見し、

【第7回】【第8回】では、成果を生むワークスタイルを抽出しました。

【第9回】は、思考グセの深堀りがテーマだったのですが、

ここまでのどの回の問いが、話し始めると止まらなくなるか?

を振り返ってみても興味深い振り返りができます。

 

弱みから強みを考える

 さて、自分の強みを発掘・発見するための質問はまだまだあるのですが、

 10回目を迎える今回で一度、第一クールを修了させていただきます。

 

 自分トリセツは、短期間で集中的に仕上げる類のものではないからです。

仕事の場で、さまざまな試行錯誤をし、どの強み(個性)を前面に出し、どの強みでそれを補うか、という自分の中の自分の個性のいわば人事を行わなければなりません。

「際立った成果をあげられない者は、容赦なく異動させなければならない。
 さもなければ、ほかの者を腐らせる。
 (中略)
 何よりも本人にとって意味なく残酷である。
 実は本人が不適格であることを知っている。
 仕事に不適格な者は、必ずや圧迫や緊張によって追いつめられ、
 本人自身が脱出をひそかに願っているものである。

『経営者の条件』 P.F.ドラッカー p.123

この文章を、個人という単位ではなく、自分の中に存在する様々な強みについての人事と考えてみては、いかがでしょうか?
(自然界の理のフラクタル構造のように、大から小まで構造は相似形に考えることができそうです。つまり、逆に、世の中での役割を持つ「事業組織:会社や事業部」という単位で、この文章を捉えることもできそうです。)

というわけで・・・
ここまでのワークで挙がったご自身の個性(強み)について列挙できたら、
その個性(強み)同士の「人事」を行ってみてください。

実際に仕事で使ってみないことには、単なる個性なのか、強みと言えるのかはわからないし、
仕事が変化する今日では、昨日のやり方が明日も有効かどうかはわからないからです。

きっとこれまでの人生でも、
中学校の時のいわゆるキャラクターと、学生時代のキャラクター、
まえの職場でのキャラクターと、まったく異なる人物のように振舞ってはいませんか?

(私は、自分のおつきあいのある異なるコミュニティの人同士が顔をあわせる場面では、
 なんだか気恥ずかしい気持ちになります。)

というわけで、今の仕事でのキャラクターをデザインしてみましょう。
うまくいっているなら、どんな個性の配置になっているかを振り返るだけでよいと思います。

もし、うまくいっていないなら、以前うまくいったときの個性の配置のまま、
周囲に迷惑をかけているのかもしれません。
容赦なく、前面に出す個性の人事異動をするときです。

周囲の力が集まってくるよう前面に出す個性。
思いを形にするための個性。
自分の中の裏方で全体を推進する個性。
方向性をコントロールする個性。
気持ちを高め、エネルギーを作り出す個性。

それぞれの個性にあなたの新しい仕事における役割があるはずです。
いちど考えてみましょう。

Q:あなたは、ご自身のどの個性を前面に出して仕事を行いますか?

 

次回からは、強みを生かす働き方についてのご提案を行っていきます。

 

ここまでの記事

【第1回】あなたの『自分取扱説明書』をつくりましょう!

【第2回】あこがれた職業は、自分の仕事観を示す。

【第3回】自分の仕事を「作品」として見てみる

【第4回】作品(仕事)を振り返って気づくこと

【第5回】“楽”ちんなことは“楽”しめない

【第6回】”MYブーム歴”から考える

【第7回】”アタマを使う仕事”は遊びと紙一重(頭が働き始めるツボ)

【第8回】MYブームからワークスタイルをさがす

【第9回】止まらなくなる語り

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『ドラッカーを読んだら会社が変わった!(日経BP社刊)』『ドラッカー教授組織づくりの原理原則(日経BP社刊)』編集協力。 中小企業におけるドラッカーのマネジメント実践をサポートする[実ドラ・実践ナビゲータ]。 『実ドラ:実践するドラッカー』シリーズ(ダイヤモンド社)をテキストに、1日一冊で、マネジメントを実践的&体系的に学ぶ[実践するマネジメント講座]の講師を全国で務める。  趣味は、受講企業に訪問して実践事例を取材するとともに、自社では気付かない強みをフィードバックすること。

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