第1回「ドラッカーの本でも読んでおけ」という言葉に応えるためのドラッカー本を読む順番―すべての社会人の方に… 


よく聞かれる問いがあります。

「ドラッカーの本でも読んでおけ」と言われた。

「ドラッカーの本を読んでみたいのだけれども、どれから読んでいいかわからない。教えて欲しい」

 

「ドラッカーの本でも読んでおけ」という言葉には、多くの場合、仕事の役に立つからという意味が込められています。この言葉に応えるためには、ドラッカー教授の言葉を実践に使って成果を出すという意識が大切です。

 

私たちの読書会―「実践するマネジメント読書会®」では、本そのものではなく目的別にどの本のどの章を読めばいいのかという観点からプログラムを開発してきました。その経験からドラッカー本のどの部分をどんな順番で読めばいいのかを示してみたいと思います。参考にしていただければ幸いです

 

7回にわたってその理由とともにお伝えしていきたいと思います。

第1回:すべての社会人の方に…

第2回:人のマネジメントに悩むマネジャーや経営者の方に…

第3回:新規事業の立ち上げなど事業のマネジメントに悩むマネジャーや経営者の方に…

第4回:組織の方向づけに悩むマネジャーや経営者の方に…

第5回:ドラッカーの思想を研究したい方に…

第6回:未来の予見力を高めたい方に…

第7回:<付録>目的別に読む理由

 

今日は、<第1回:すべての社会人の方に…>

①『非営利組織の経営』(1990)パートⅴを中心に

②『プロフェッショナルの条件』(2000)特にパート3の第1章

③『経営者の条件』(1966)

④『明日を支配するもの』(1999)第6章を中心に

※本の一部を読む方法は、ある種贅沢な読み方です。この一冊という方は③『経営者の条件』をおすすめします。

 

真の社会人になるために

これらの4冊は、すべての社会人の方に読んで欲しいものです。理由は、これらがセルフマネジメントに関するものだからです。ドラッカー教授の基本思想は「人の強みを世の中のために生かすことで、よりよい社会を実現すること」です

 

したがって自分の強みを知り、これを生かすことはドラッカー教授のマネジメントを行なううえで基本中の基本といえます。強みのマネジメントを中核とした「成果をあげる習慣的能力」はセルフマネジメントの重要な領域を締めています。

 

セルフマネジメントの目的は自己成長にあります。それは組織という道具の目的の一つでもあります。社会人とは、組織という道具を使って自らを成長させながら社会に貢献する人をいいます。

 

真の社会人になるためにも、まずはセルフマネジメントに関するドラッカー教授の著作を手に取っていただければと思います。

 

<4冊の概要>

①『非営利組織の経営』では、自己成長について学ぶことができます。セルフマネジメントの目的です。

②『プロフェッショナルの条件』は編集本です。セルフマネジメント全般について学べますが、パート3の第1章ではドラッカー教授自身の「人生を変えた7つの経験」を学べます。セルフマネジメントの原点ともいうべき傑出した著述です。

③『経営者の条件』では、セルフマネジメントの中核である「成果をあげる習慣的能力」を学ぶことができます。

④『明日を支配するもの』はセルフマネジメントの現代的意味を知ることができます。21世紀の課題であることがわかります。

 

<一部内容の紹介>

ドラッカー教授は、『明日を支配するもの』で次のように述べ、今話題の「人生100年時代」というテーマを20年先取りしていました。

 

知識労働者は、雇われている組織よりも、結果として長生きする。博士号のために20代のまで大学院に残り、労働力市場への参入を遅らせたとしても、今日の先進国の平均寿命では、70代、80代まで生きる。途中からパートタイムとなったとしても、75歳頃までは働ける。したがって、労働寿命は50年に及ぶということである」。

 

このような時代にますます必要になるのがセルフマネジメントです。ドラッカー教授のマネジメントは、21世紀においてますますその必要性が高まっているのです。

 

「これからますます多くの人たち、とくに知識労働者のほとんどが、自らをマネジメントしなければならなくなる。自らを最も貢献できるところに位置づけ、つねに成長していかなければならない」。

 

 

 

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佐藤 等
<実践するマネジメント読書会>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。 ドラッカー学会理事。 マネジメント会計を提唱する佐藤等公認会計士事務所所長/公認会計士・税理士。 ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。 Dサポート㈱代表取締役会長。 ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。 公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に約70名のファシリテーターを送り出した。 誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。 編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 自身のブログ<ドラッカリアン参上>は連続投稿4000日以上を達成して続伸中

“第1回「ドラッカーの本でも読んでおけ」という言葉に応えるためのドラッカー本を読む順番―すべての社会人の方に… ”への2件のフィードバック

  1. ChieChie より:

    私が初めてドラッカーに触れたのは、『イノベーションと企業家精神』でした。
    「ドラッカーの読書会があるので、参加しなさい」と社長からの指示があったためです。
    とても難解でしたが、読書会に参加して、参加者の方の話を伺い、
    理解はできなくても、それぞれいろいろな読み方があるし、
    自分が琴線に触れたところだけ考えるのでもいいと感じ、取り組みやすくなりました。
    その後、『非営利組織の経営』などを読んで、自分は難しいところからドラッカーに入ったと思いました。
    佐藤先生の勧める順に読んでいくと、難しく感じるドラッカーも読み進めやすいと思います。
    続けるのに、入り口も重要です。

    • 佐藤 等 佐藤 等 より:

      ChieChieさん、コメントありがとうございます。
      社長の指示で…笑
      キッカケは何でも、多くの人にドラッカー教授の著作に出会ってほしいですね。
      読書会は一言に出会う場、無理に理解しようとせず、気楽に参加するのが一番です。
      入り口はとても大事です。大まかに言うと2つしかないと感じています。これは本文で触れたいと思います。
      ChieChieさんがコメント第1号です。これからもぜひコメントをお寄せください。

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