ドラッカーのマーケティングとは?1分で本質がわかるプロ解説。どこよりも丁寧に意味を教えます。


Googleやマイクロソフトにも多大な影響を与えたピーター・F・ドラッカーは、「マーケティングとは何か」について重要な定義を伝えている。現代でもなお影響力があり、経営学者も引用するくらいに有名である。

この記事では、ドラッカー学会の理事と共にドラッカーの読書会を全国で主催する「Dラボ」が、ドラッカーが定義したマーケティングの意味と本質について、どこよりもわかりやすく、丁寧に解説する。

ドラッカーのマーケティングの定義さえ理解できれば、世の中にたくさんあるマーケティングの理論をいちいち知らなくても、本質をガッチリと掴んでビジネスの現場で生かすことができるはずだ。

記事の最後には、ドラッカーのマーケティングを学んで実践するのにおすすめの解説本も紹介するので、要チェックだ。ドラッカー学会の理事が直接解説しているロングセラー本なので、マストバイの一冊である。

ドラッカーの定義するマーケティングは「販売しなくても売れる状態を目指す」こと

マーケティングの理想は販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、顧客に製品とサービスを合わせ、自ら売れるようにすることである。

(『マネジメント』より)

ドラッカーは、“その商品やサービスが、顧客の欲求に100%寄り添うことができたなら、販売活動などしなくても勝手に売れていく”と考えたのだ。

マーケティングの極地は、販売活動がゼロでも売れる状態のこと。ようするにドラッカーは、マーケティングの究極の理想形を描いたのだ。

では、どうすれば販売活動ゼロでも売れる状態に近づくことができるのか。答えは「顧客価値の追求」(顧客の創造)であった。売り手志向の発想を捨てて、100%の顧客志向の発想でビジネスを行う。これこそが、ドラッカーの考える真のマーケティングなのであった。

顧客が買うものは製品ではない。欲求の充足である。顧客が買うものは価値である。これに対し、メーカーが生産するものは価値ではない。製品を生産し販売するにすぎない。したがって、メーカーが価値と考えるものが、顧客にとっては意味のない無駄であることが珍しくない。

(『マネジメント』より)

一般的な概念とドラッカーのマーケティングが異なる点

ではあらためて、一般的に用いられる「マーケティング」という言葉と比べて、ドラッカーの独自性は何なのだろうか。一言で表すなら、仕組みさえいらないと考えた点にある。

「マーケティングとは」でネット検索すると、いろんな定義が出てくるし、経営学の理論書を開いても、見慣れた表現が登場する。最も一般的に浸透しているマーケティングの定義はズバリ「売れる仕組みをつくること」。これである。

では、売れる仕組みとは、具体的にどんなカラクリなのだろうか。そこから先は、百家争鳴の様相を呈しており、時代や流行に色付けされながら、様々なバリエーションのマーケティング論が展開されている。アカデミックな理論もあれば、一過性のブームで終わってしまうような眉唾も少なくない。

さてドラッカーはといえば、「売れる仕組み」について経営学者や実業家たちが口角泡を飛ばして議論を重ねるなかで、彼らとはまったく違うレールの上をスイスイと歩んでいる。

なぜならドラッカーは、売れる仕組みどころか、仕組みさえ不要になるのがマーケティングの極地だと考えていたからだ。“売れる仕組みを考えなくてはモノが売れない時点で、あなたのマーケティングは不完全だ”――ドラッカーが生きていたら、きっとこう言ったに違いない。

仕組みさえ必要なくなるように顧客価値を追求する。それが、ドラッカーのマーケティングなのだ。

ドラッカーのマーケティング論が現代でも通用する理由

ドラッカーのマーケティング論は、今日でも、いたるところで引用されている。マーケティングの極地に行きついたという点で、やはり影響力は色あせていない。

しかも、“自分たちが売りたいものを売る”(製品志向)のではなく、“顧客が求めているものを売る”(顧客志向)の発想は、現代においてますます重要性が指摘されている。

USJをV字回復した伝説のマーケター・森岡毅氏は、日本は昔から売り手志向でビジネスを展開してきたせいで、マーケティングが弱いと指摘した。高度経済成長期以降、日本は「いいものを作れば売れる」という黄金時代を経験してきたからだ。

日本は、いいものを作るレベルは、現代でも世界トップクラスの水準にあるという。しかし、顧客にとっての価値を追求する発想が、まだまだ醸成されていないのが実情だ。だからこそ、ドラッカーのマーケティング論は、まさに日本が世界で活躍するために役立つ。

ドラッカーのマーケティング論を学ぶ方法

だいたい3通りある。一番おすすめの方法は、ドラッカーの解説本を読むことである。ドラッカーのオリジナルは、アカデミックな内容も少なくないため、いきなり手を出すと挫折してしまう恐れがある。だから解説本を最初に手に取ることをおすすめする。

ドラッカーのオリジナルを読む

継続の難しさ

★★★★☆

おすすめ度

★☆☆☆☆

『マネジメント』や『イノベーションと企業家精神』には、ドラッカーのマーケティング論がぎゅっと詰まっている。だが、アカデミックな議論が盛りだくさんなので、歴史や時代背景の知識がある程度なければ、読みにくさを感じてしまう。もともと本を読むのが苦手な人には、おすすめしない。

ドラッカーの読書会に参加する

継続の難しさ

★★☆☆☆

おすすめ度

★★★☆

互いに学び合える読書会なら、理解を深めやすく、アウトプットが活発になる。わたしたちDラボは、ドラッカーの読書会を運営している。ドラッカーの読書会は、経営者だけでなく、マネジャーや新人までが、互いの興味・関心・視点での違いを意識しつつ、成果をあげるためのマネジメントを学び合う場だ。

ドラッカーの読書会に興味がある人は、ぜひ無料体験でドラッカーに触れてみてほしい。オンラインで開催しているため、全国の経営者やビジネスマンとつながれる貴重な機会にもなるだろう。

はじめて読むドラッカー読書会

ドラッカーの解説本を読む

継続の難しさ

★☆☆☆☆

おすすめ度

★★★★☆

ドラッカーの解説本は、ドラッカーの重要な言葉を、プロがわかりやすくかみ砕いて教えてくれる。ドラッカーのマーケティングの何たるかを理解するなら、これが最も近道かもしれない。

総合的に考えると、ドラッカーの解説本で読書会に参加するのが、最も効果的にマーケティングを学ぶ方法だといえる。

ドラッカーのマーケティングを解説付きで学べる『実践するドラッカー【事業編】』

ドラッカーのマーケティングのエッセンスがぎっしり詰まった珠玉の解説本。ドラッカー学会理事の佐藤等氏が直接解説しているという安心感も、他の解説本にはないメリットだ。

2012年の発売以来、ロングセラーを記録している。ドラッカーの解説本としては、この本を置いて他に右にでるものはないだろう。ドラッカーのマーケティングを学ぶなら、絶対に手に入れておきたい決定版だ。

まとめ

まとめ

ドラッカーの定義するマーケティングは「販売しなくても売れる状態を目指すこと」

  • ドラッカーは、“その商品やサービスが、顧客の欲求に100%寄り添うことができたなら、販売活動などしなくても勝手に売れていく”と考えた

一般的な概念とドラッカーのマーケティングが異なる点

  • 一般のマーケティングは「売れる仕組み」について語る
  • ドラッカーは、売れる仕組みどころか、仕組みさえ不要になるのがマーケティングの極地だと考える

ドラッカーのマーケティング論が現代でも通用する理由

  • 自分たちが売りたいものを売る”(製品志向)のではなく、“顧客が求めているものを売る”(顧客志向)の発想は、現代においてますます重要性が指摘されている

ドラッカーのマーケティング論を学ぶ方法

  • 総合的に考えると、ドラッカーの解説本で読書会に参加するのが、最も効果的にマーケティングを学ぶ方法だといえる。
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