「マネジメントとは何か」―ドラッカー教授から学ぶ実践に不可欠な<原理のマネジメント> 【第2回】意外に答えられない問い「組織の目的とは何か」


「組織の目的とは何か」

意外と聞かれたことがないのではないでしょうか。

そして意外に答えられない問いでもあります。

この問いに答えるためには一つの原理の理解が欠かせません。

マネジメントの原点にすえるべき原理

「組織は道具である」<マネジメントの原理1>

この原理こそ、マネジメントの原点にすえるべきものです。

ドラッカー教授は組織も人間が生み出した制度、つまり道具であると位置づけます。企業を代表的存在とする組織は産業革命後に生み出された社会的道具であり、戦後その存在が大きくクロースアップされてきました。

教授は現代社会を組織社会、つまり組織を通して社会の様々な課題に対処する時代と見ています。

私たちは組織が道具であるということに自覚的でなければなりません。その際、第一に理解していかなければならないのが道具の目的です。目的のない道具は使存在価値がないからです。それはガラクタです。

しかし、あらためて組織の目的を考えてみると少し戸惑いを覚えるかもしれません。組織が道具であるという原理を理解していれば当然目的は気になるはずです。

車や時計などの道具の目的を知らないで使っている人はいないからです。一度、組織の目的について考えてみましょう(目的については次回のテーマとします)。

 

より深く理解したい人のためにマネジメントの原点にすえるべき原理

この原理の前提にあるものは「自由で機能する社会の実現」というドラッカー教授の信条です。教授はその実現の条件を2つ挙げました。

<機能する社会の条件 『産業人の未来』(1942)より>
①社会において一人ひとりが「位置status」と「役割function」をもつこと
②重要な社会権力が「正統性」をもっていること

たとえば「●●病院で看護の仕事をしています」という人は、●●病院に所属していることを「位置status」を得ているといい、そこで看護という仕事をしていることを「役割function」を果たしていることになります。

組織社会では多くの人が「位置」、つまり「所属」を組織に求めています。組織社会以前は、地域や宗教、同業者組合などに所属し、「位置」を得ていました。産業革命以来、組織で仕事をすることが普通になり、職場と仕事場が離れ、組織という仕事場への帰属意識が芽生えました。

こうして組織社会という現代社会では、「位置」を得る重要な場として企業をはじめとした組織が重要な存在となったのです。

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佐藤 等
<実践するマネジメント読書会>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。 ドラッカー学会理事。 マネジメント会計を提唱する佐藤等公認会計士事務所所長/公認会計士・税理士。 ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。 Dサポート㈱代表取締役会長。 ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。 公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に約70名のファシリテーターを送り出した。 誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。 編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 自身のブログ<ドラッカリアン参上>は連続投稿4000日以上を達成して続伸中

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