「ドラッカーの本でも読んでおけ」という言葉に応えるためのドラッカー本を読む順番 第4回―組織の方向づけに悩むマネジャーや経営者の方に… 


第4回も「ドラッカーの本でも読んでおけ」と言われる可能性が最も高いマネジャーの皆さんに特に関係があります。とくに組織の後継者には必須の領域です。

 

ドラッカーの本を読んでみたいのだけれども、どれから読んでいいか教えて欲しい」という問いに対する答えは、その人の地位や経験、期待されているものによって異なります。とくに今回紹介する4冊は特にその意味合いが強い領域です。

 

この連載で毎回書いていますが、「ドラッカーの本でも読んでおけ」という言葉には、仕事の役に立つからという意味が込められています。ドラッカー教授の言葉を実践に使って成果を出すという意識が大切です。

 

私たちの読書会―「実践するマネジメント読書会🄬」では、本そのものではなく目的別にプログラムを開発してきました。その経験からドラッカー本のどの章を、どんな順番で読めばいいのかを長年考えてきました。この連載ではこの一端を紹介しています。

 

第4回目は、組織の方向づけに悩むマネジャーや経営者の方に向けて次の4冊―『現代の経営』(1954)、『創造する経営者』(1964)、『マネジメント』(1973)、『経営者に贈る5つの質問』(2009)―を推薦したいと思います。

以下、<読むべき章>と<4冊の概要>と<一部内容の紹介>についてです。

読むべき本と章

①『現代の経営』(1954)パート1を中心に

②『マネジメント』(1973)パート1を中心に

③『創造する経営者』(1964)パート1を中心に、特に第6章、第7章

④『経営者に贈る5つの質問』(2009、2017年に第2版)全部―ボリューム寡少

※特にこの一冊ということであれば④『経営者に贈る5つの質問』をお薦めします。

 

4冊の概要

書籍群は、第3回目:新規事業の立ち上げなど事業のマネジメントに悩むマネジャーや経営者の方に…と類似しています。理由は、どちらも「事業」というコンセプトを取りあげているからです。違いは、第3回目が「事業とは何か」「イノベーションとは何か」という純粋なコンセプト部分に焦点を当てていますが、第4回目は、「われわれの事業は何か」という自社での取り組みにフォーカスしています。

①『現代の経営』のパート1では「われわれの事業は何か」に関する必要項目を修得することができます。

②『マネジメント』のパート1も上記と同様です。①と②は姉妹関係にあります。

③『創造する経営者』の第6章と第7章は、「顧客が事業である」と「知識が事業である」という章です。ここでは事業の定義、「事業とは市場において知識という資源を経済価値に転換するプロセスである」に関わる顧客価値と知識についての重要な項目を修得します。

④自社の組織に重要な「方向づけ」を与える問いが「われわれの事業は何か」です。このほかにも「方向づけ」の道具として「われわれのミッションは何か」をはじめとした5つの問いがあります。これらの問いは、『経営者に贈る5つの質問』で学ぶことができます。

「組織の方向づけ」はとても重要です。組織に属する社員は、その方向づけの下で主体性を発揮するからです。社員の主体性が発揮されない、最大の理由は組織に「方向づけ」を与えていなことです。

「組織の方向づけ」の道具は多様です。たとえば③『創造する経営者』の第7章では「われわれの卓越性は何か」を問います。他にも「第2回:人のマネジメントに悩むマネジャーや経営者の方に…」で示したように仕事の設計によっても組織は方向づけられます。

 

 

こんなことが書いてあります~一部内容の紹介

『5つの質問』とは、今行っていること、行っている理由、行うべきことを知るための経営ツールである

『経営者に贈る5つの質問』

 

ドラッカー教授は、答えを求めるな、正しい問いを使いこなせといいます。実際、自社の状況に完全にフィットする経営ノウハウなどありません。経営環境とともに答えも変化します。しかし研ぎ澄まされた問いは、いつの時代も私たちの導きの指針となります。その代表例がいかに示す5つ問いです。

1.「われわれのミッションは何か」

2.「われわれの顧客は誰か」

3.「顧客にとっての価値は何か」

4.「われわれにとっての成果は何か」

5.「われわれの計画は何か」

 

ちなみに2.「われわれの顧客は誰か」と3.「顧客にとっての価値は何か」に答えることは、「われわれの事業は何か」に答えを得ることとほぼ同義です。 

 

 

「ドラッカーの本でも読んでおけ」という言葉に応えるための本を読む順番(連載記事)

第1回:すべての社会人の方に…

第2回:人のマネジメントに悩むマネジャーや経営者の方に…

第3回:新規事業の立ち上げなど事業のマネジメントに悩むマネジャーや経営者の方に…

第4回:組織の方向づけに悩むマネジャーや経営者の方に…     

第5回:ドラッカーマネジメントの「一丁目一番地」を知り、真のマネジメントを行いたい方に…

第6回:社会はどのように変化するのか?未来の予見力を高めたい方に…

第7回:<付録>目的別に読む理由

 

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佐藤 等
<実践するマネジメント読書会🄬>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。 ドラッカー学会理事。 マネジメント会計を提唱する佐藤等公認会計士事務所所長/公認会計士・税理士。 ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。 Dサポート㈱代表取締役会長。 ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。 公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に約70名のファシリテーターを送り出した。 誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。 編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 自身のブログ<ドラッカリアン参上>は連続投稿4000日以上を達成して続伸中雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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